夏の甲子園準優勝で注目される専門高校
高等専門学校(高専)は製造業で長く人材供給源になっていることはよく知られているが、機械系以外も学べることは意外と知られていない。
それでも、かつて電波高専として独立し、現在は他の高専と統合している仙台高専(宮城県)などの電気系、大島商船高専(山口県)など航海士・海洋技術者を養成する商船系もまだ知られている。知名度が低いのは文系学科のある高専だ。福島工業高専(福島県)、富山高専(富山県)、宇部工業高専(山口県)などが該当し、宇部工業高専は九州大学への編入者を一定数出している。
同じく、穴場的な存在が私立の高専だ。東京都にあるサレジオ工業高専と国際高専(石川県)、近畿大学工業高専(三重県)の3校が私立高専だ。国際高専は18年に前身の金沢工業高専から学科を統合して誕生した。全寮制で授業の大半は英語。3年次はニュージーランドに留学し、4、5年次は同じ系列の金沢工業大学キャンパスで学ぶ。理工系のグローバル人材を育成する点で産業界からも注目されている。
夏の甲子園で準優勝した公立の金足農業高校(秋田県)。そこで今、公立の専門高校に注目が集まっている。
専門高校といえば地域内の専門人材を育成するところと思われがちだが、そんなことはない。地域外の遠隔地からでも入学できるよう、北海道ニセコ高校(北海道)、三本木農業高校(青森県)などは寮を用意している。
北海道ニセコ高校は緑地観光科を設置。農業科学コースと観光リゾートコースに分かれる。観光リゾートコースはリゾートの町であることを活かし、ニセコ町内外のリゾートホテルで、8日間の体験学習を実施。実際にホテルスタッフとして観光業を学ぶ。