「人間は恐怖心や不安感から、冷静な判断ができなくなる場合があります。オレオレ詐欺も恐怖心、不安感、切迫感の3つが揃ったときに判断力が低下するという人間の弱点を見事に悪用しています」
子や孫を装って「事故を起こして大変だ」「会社をクビになる」「今日中にお金が必要」とまくし立てれば、電話を受けたお年寄りは、ウソだと見抜く力を失ってしまう。テレビショッピングで、画面の隅に残り在庫数のカウントダウンが表示されるのも、似たような切迫感が演出されているのだ。
どこを見ているか、注意深く観察する
人間はウソをつく瞬間、無意識に特有の表情やしぐさを見せることがある。その“ウソつきサイン”を読み取れば、騙されないための手助けになるだろう。そのシグナルは7つだ。特に注目したいのは、視線に関する特徴。
(1)いつもより応答が早め
ウソをついているときには「早く会話を終わらせて楽になりたい」という気持ちが先行し、いつもよりも早口で応答するようになる。
(2)同じ返事を繰り返す
多くの言葉を語るとウソがバレるという思いが強くなるため、応答に柔軟性がなくなり、早く会話を終わらせようと同じ言葉で応答してしまう。
(3)表情を変えない頷きが増える
ウソをつくときには表情から動揺を悟られないように、表情が乏しくなる。また、よく頷くようになることが知られている。
(4)距離をとって話をする
相手を騙すやましさを持っていると、逃げの心理が働き、いつもより距離をとって話そうとしてしまう。
(5)話すときに口を触る
ウソをつくときには、無意識のうちにウソの出どころである「口」を隠したいという心理が生まれるため、手で鼻や口あるいはその周辺を触るしぐさが増える。
(6)会話の途中に水を飲みはじめる
ウソをついているときには、話の内容に集中されないように水を飲んだり、どこかを触るなどしぐさで相手の集中をそらそうとしてしまう。
(7)相手を見つめるか、目をそらすか
ウソを悟られないように、ウソをついているときには男性は目をそらしがちになる。それに対し、女性は相手の目を見つめるという正反対の特徴がある。