※本稿は、松本利明『「いつでも転職できる」を武器にする』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
優秀な人も評価されなくなる「カルチャー」の怖さ
転職先でちゃんと貢献できるかという不安はビジネスパーソンにはつきものです。今までの経験から、ある程度仕事はできる自信はあるけど保証はない。営業職から経営企画職に変わるなど、仕事内容が変わる場合、その期待と不安は日増しに大きくなるものです。
しかし、あなたの新しい会社や仕事(転職でなく社内異動含みます)との相性は、実は事前に8割以上は掴めます。「仕事」と「会社の価値観」とあなたの資質がマッチするかをみればいいのです。
A社で優秀だった人が、同業のライバル会社のB社に移ったら結果が出ず、評価されず、普通の人になってしまったという話はよく聞くものです。
仕事と本人の資質はフィットしているはずなのに、なぜこんな事態が起きるのか? それは、その会社のカルチャーと合わないからです。会社のカルチャーは経営者の哲学、ビジネスモデル、歴史などから形成されていくものです。
カルチャーとは、言わば「空気」。無色透明の壁になります。元からいる社員は、壁を無意識にかわすことに慣れ過ぎて違和感に気づきません。外からくると、その壁にぶち当たるのですが透明で見えないゆえに成果が出せないのです。
会社と個人の関係は“結婚”に近い
会社のカルチャーは経営理念(ビジョン、ミッション、バリューなど)としてまとめられていますが、ちゃんと掴むにはコツがあります。そもそも、会社のホームページ、会社案内、採用案内、ブログ、メディア実績には「いいところ」しか書いていないことは、あなたもわかっているでしょう。
会社と個人の関係は結婚に近いものがあります。立場も対等です。結婚期間中はお互い幸せな関係でいるために、努力しましょうというスタンスです。
ここで質問です。あなたは、これから付き合おうと思う初対面の相手にいきなり自分のダメダメなところをPRしますか? 普通はしないですよね。
嘘は言わないけど、まず、いいところを見せよう。気に入っていただき、お付き合いが始まったら徐々に本当の姿をみせていくという手順になるはずです。会社の場合、インターンなど、実際に内部で一定期間仕事をしない限り、転職後、配属されてから、本当の姿を知ることになるのですが、ご安心ください。ここを見抜く方法を伝授します。