経営理念がハッキリしているアップル

会社のカルチャーを知るには経営理念の癖を知りましょう。日本の会社の9割以上の経営理念はA社からB社に変えても全然気づかないくらい曖昧です。

経営理念には、実は実現できていない理想を書いているケースも多いからです。

その実態を見抜くためには、経営理念を読むだけでなく、「YES/NO」の判断基準に落とし込んでみましょう。会社の経営理念は、その会社の物事のYES/NOの判断基準をもとにつくられているのが本来の姿だからです。そして、その判断基準を、

①自分の資質にあっているか
②本当にその判断基準どおりに意思決定をしているか

この2点から裏を取るのです。こうすれば、その会社の本当のカルチャーがあぶりだされます。

経営理念がハッキリしている会社は外から見ても判断基準が明確です。アップル社の故スティーブ・ジョブズが出した経営哲学は「Think Simple」です。「シンプル」をYESにすると、反対のNOは「複雑」になります。

確かにスティーブ・ジョブズ氏の時代のアップルはシンプルでした。iPhoneのデザインもシンプルでボタンの数は最小限。マニュアルもなしで操作可能。iPhoneのラインナップも少数に絞り込み、その世界観や性能、デザインで世界を圧倒する反面、シンプルな分だけ生産ラインも絞り込み、コスト削減や在庫リスクを減らすことにも成功していました。

これを「複雑」にしてしまうとブランドイメージにブレが生じ、ファン離れに繋がり、生産コストも在庫リスクも高まってしまいます。機能、デザイン、生産、販売までシンプルで一貫することで競合にない価値を生み出していたことはあなたもご存じの通りです。

経営理念を分解する3段手法とは

このように、会社の経営理念を取り出し、それをYESとするなら、反対のNOは何かを書き出せば、その会社が何を是とし、何を非としているかというカルチャーの背骨がハッキリみえてきます。

何がYESかNOかがわかれば、それがあなたの資質とフィットするかみえてきます。

私はわたし。会社は会社で経営理念に沿って判断すればいいと割り切るのもいいですが、自分の資質とフィットした方がストレスは激減します。コツは3段階で分解することです。

最初は経営理念の項目を書き、YESと置きます。例を出して解説しましょう。

「みんなで決める文化」(YES)

次に今書いた経営理念の項目のNOを書きます。反対の意味のキーワードを置けばOKです。

「みんなで決める文化」(YES)→「トップダウンの決定はない」(NO)

最後に、「ゆえに、どんなことが実態でありそうか」を書きます。