“生きたウェブサイト”としての店舗スペース

当然ながら、実店舗の小売スペースが生み出すデータのレベルは驚異的で、小売業者にとっても、そのパートナーであるブランド各社にとっても大変な価値がある。

ダグ・スティーブンス・著、斎藤栄一郎・訳『小売再生 リアル店舗はメディアになる』(プレジデント社)

これを念頭に置けば、毎日店舗で収集される膨大な消費者データを収益化するだけでも、それなりの売り上げが立つ体験型小売店もありうる。具体的には、どのような顧客が来店し、それは一見客か常連客かといったデータである。客がどの商品を眺め、商品とどのような関わりを持ち、どのくらい店内に滞在したのか、そして、そうした関わりの末に最終的にどのような結果が見られたかといった情報である。はたしてその客は最終的に何か購入したのか。購入したとすれば、何を買ったのか。それをいつどこで買ったのか。店舗での体験を他の人々に紹介したか。したとすれば、どのようなソーシャルネットワークを使ったのか。

こうした体験型小売店は、店舗スペースを“生きたウェブサイト”として活用し、今挙げたような体験のあらゆる側面についてデータを余すところなく収集・カタログ化する。そして、このデータに加え、店内にある商品を取り巻く話題、店内での体験後の結果について、データ自体やその解説をコンテンツとしてブランド各社に販売するのだ。

(写真=iStock.com)
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