「督促時点からの加算徴収」が現実的か

全国900万の未契約世帯をどう扱うのか。受信料を支払っている側から見れば、ずるい人たちだ。公平な受信料徴収の観点からも許し難い存在である。

今回、最高裁大法廷は「テレビ設置時にさかのぼって受信料の支払い義務が生じる」との判断を示した。だが過去にまでさかのぼって徴収しようとすると、反発は増す。現実的にはNHKが督促した時点からの支払額を求めることになるだろう。そして督促に応じない視聴者には支払額を割増しで請求する。自主申告の国税の徴収では脱税や申告漏れがあると、重加算税や過少申告加算税が課せられるが、これと同じだ。

しかし大切なのは視聴者が進んで支払うようになることだ。そうなるためには、NHKが受信料の必要性について丁寧に説明し、公共放送として国民に信頼されることに尽きる。事業拡大に突き進むだけでは、理解は得られないだろう。

(写真=時事通信フォト)
関連記事
30年続くNHKビジネス英語講座の学習法
なぜテレビを見ていると"バカ"になるのか
NHK"テレビがなくても"受信料徴収を検討
あなたのスマホが「テロ」の発信源になる
プロのユーチューバーは日本に何人いるか