“モニタリング勉強法”をする子は勉強好きになる
「勉強嫌い→勉強好き」の子供や家庭のもうひとつ特徴である、勉強方法についてはどうだろうか。「勉強するときに『何がわかっていないか確かめながら勉強する』」と答えた子供は、「勉強嫌い→勉強好き」になった子の場合54.1%であるのに対し、「勉強嫌いのまま」の子は31.4%で、22.7ポイントもの差があった(グラフ3参照)。
テストの点数を効率的に上げるうえで、大人から見れば、「確かめながらの勉強法」は当たり前の方法だと思うかもしれないが、小学校5、6年生ではそうした勉強法を知らない子供が少なくないようだ。
目標の進行状況を自己分析しながら勉強する方法を、教育心理学では「モニタリング方略」と呼んでいる。“勉強好きになった子”のうち、この方法で勉強している割合は、小学校5、6年生で54.1%、中学生で73.7%、高校生で79.4%と学年が上がるごとに増えていた。
親はスマホや家事をしながらではなく、勉強する子供をみるべき
「勉強好きに変わった子は、親が勉強について褒めたり励ましたりするだけでなく、勉強もみている割合が高いことがわかっています。勉強嫌いな子には、褒めるだけでは不十分のようです。親は勉強にかかわることで、子供の苦手分野に気づいたり、努力を適切に褒められたりできるようになります」(前出・橋本尚美研究員)
親が勉強をみるということは、何より子供に関心を示してやるということだろう。親は仕事や家事で忙しい。だが、1日10分でもいいから、テレビやスマホを見ながらではなく、また家事をしながらではなく、純粋に勉強する子供のそばにいる時間をつくるといいかもしれない。