リーダーシップ力は「モテ」の秘訣、と母は言う

さらに、リーダーシップの大切さも教えていたようです。

「母からは、『これからの時代は、女の子にもリーダーシップは大事だ』と言われました。小学生の時、学級委員をやったりしていて、『あなたは昔からリーダーシップがあるほうだった』とよく褒めてくれました」

学力もリーダーシップも伸ばす――。まるで男の子の子育てのようですが、女の子ならではの注意も付け加えているのです。ここが、この母親の素晴らしいところだと感じました。

筆者が『プレジデントFamily秋号』で取材した「東大ガールズに聞く 女の子が伸びる『褒め方』『叱り方』」に、「勉強とモテ」を両立した学生も登場している。女の子を持つお母さん必読!

「母から繰り返し言われていたのは、『特に、女の子は空気を読むことが大事』ということです。みんなを引っ張っていくリーダーシップもありながら、気配りもできること、その両方が必要だと。年長者がいたり自分より向いている人がいたりする場面ではサポート役に徹し、逆に、自分が年長だったり、リーダー役が不在だったりときは自分がみんなを引っ張っていくなど、その場その場に見合ったリーダーシップの取り方があると。そして、社会で活躍していくには、勉強ができることが大事なのではなく、周囲の人に気配りができたり、ほかの人の問題を自分のことのように考えられたりする人になることが大事と言われていました」

このような教えを授けてきた母親と、その父親は、地域の人から困りごとを相談されることが多く、その人たちのために真剣に悩む姿を彼女は見て育ってきたと言います。

だからでしょうか、彼女は驚くほど人当たりがよく、人の話に耳を傾けその気持ちに寄り添おうとする姿勢が印象に残りました。まさにモテるオーラが出ていました。

実は、「モテる東大女子」(娘)を育てたこの母親の教えは、近年、注目されている「サーバント・リーダーシップ」に通じるものがあります(参考記事 http://president.jp/articles/-/15523)。

サーバント・リーダーシップとは、通信会社AT&T社でマネジメント教育を行ってきたロバート・グリーンリーフが提唱した「リーダーである人は、まず相手に奉仕し、その後相手を導くものである」というリーダーシップ哲学。サーバントリーダーは、「奉仕や支援を通じて、周囲から信頼を得て、主体的に協力してもらえる状況を作り出す」と言われています。