挫折原因7
「早起きしている自分に優越感」
▼傾向
早起き習慣は通常、ひとりで始めるだろう。人がまだ寝ている間に起きて、活動を始める。その優越感が心地よいのだが、それを感じるのも最初だけ。早起きの習慣が安定していたのに、ある日突然、パタンとその習慣をやめてしまう人がいる。再び、早起きに戻れる人もいるが、「今日ぐらいもう少し寝ていてもいいか」という甘えがその後も尾を引いてしまうのだ。
▼対策
古川氏によれば、マンネリ防止のため、早起きすることを会社の同僚など多くの人に宣言したり、「習慣ともだち」をつくったりすることが功を奏するケースがある。
あるビジネスマン(課長)は、所属する課全体で残業を減らす「7時出社、18時退社」プロジェクトを立ち上げ、朝7時半には課のスタッフ全員がすでに仕事を始めるように働きかけた。
「もちろん、そんな時間から仕事をしているのは社内でもその課だけ。開始3週間後には課全体の生産性は10%向上し、残業は25%も減りました」
と、古川氏。会社だけでなく、妻も一緒に早起きする習慣にして、週に1度は高級ホテルの早朝バイキングにいくようにしているビジネスマンもいるそうだ。同僚にしろ妻にしろ、早起きの「相棒」がいることで、約束を守るために以前よりも「毎朝早く起きなければ」という気持ちの張りや強制力が生まれ、また人とのコミュニケーションや時間を有意義に使えるといった付加価値が加わったのだ。
古川武士
日立製作所を経て、社員教育定着化などのコンサルティングをしている。著書に『30日で変える「続ける」習慣』。
吉田たかよし
灘校、東大卒。元NHKアナウンサー。大学では、自律神経や脳機能に関する応用研究に従事。