またしても3日坊主……。早起きが長続きしない人は多い。とりわけ「最初の1週間」で半数近くが挫折する。その対策法を、脳科学と習慣化の専門家に聞いた。

※【前編】はこちら(http://president.jp/articles/-/17929)

挫折原因5
「週末ぐらいは寝坊しても……」

▼傾向

平日は早起きゆえ、寝不足気味。だから、週末はゆっくり寝たい。そんな生活スタイルの人は多いだろう。

しかし、この一定しない起床時間が脳機能にダメージを与えかねない、と医師で東京理科大学客員教授の吉田たかよし氏はいう。その影響で、結局、早起きをやめてしまうケースがある。

「起床すると脳には外界の刺激が一気に押し寄せます。これは脳の神経細胞にとって大きな負荷。人体はそれに対応すべくコルチゾールというホルモンを副腎から分泌します。過酷な環境に置かれる脳を守るのです」(吉田氏)

コルチゾールが分泌されるのは、明け方、人が起きる直前だ。人によって分泌時刻は決まっている。つまり、毎日同じ時刻に起きている限り、もうすぐ起床時間だからコルチゾールを分泌しよう、と脳が判断できる。

しかし、残念ながら週末の朝寝坊に合わせてフレキシブルに分泌時間を遅くするようなマネはできない。

「週末もいつも通りに副腎から分泌されるのに、寝坊するとコルチゾールと脳の状態がチグハグなタイミングになり、週末、たっぷり寝てエネルギーチャージしたと思っても、かえって頭が重い、体調不良になるのです」(同)

▼対策

週末に寝坊すると、月曜の朝に再び早起きしようとしても人体は週末と同じようにコルチゾールを出そうとする。だから、目が覚めにくくなる。午前中はあくびばかりということにもなりかねない。大事なのは、平日も週末も、起きる時間は一定にすること。もし週末、長めに寝たいのなら、「前夜の就寝時間をいつもより早くすれば脳への負担は少なくなります」(吉田氏)。