挫折原因6
「ついでに早朝ランニングする」

▼傾向

早起き願望のビジネスマンは「朝、早起きしたら、ジョギングして、朝活して……」と、欲張りであることが目立つと、習慣化コンサルタントの古川武士氏。本人としたら、せっかく朝型人間になるのだから、同時にいろいろ達成したくなる気持ちもわからなくはないが、それが案外、早起き継続を頓挫させる落とし穴となることがあるのだ。

古川氏の顧客の例でも、ダイエットをしたいと「食事制限と運動」を同時に始めるケースは少なくないが、これは挫折する確率が極めて高いという。

「ひとつの新しい習慣を始めようとするだけでも、やる気になっている半面、人は心のどこかでその習慣に反発してしまうのに、2つ同時というのはよほど意思が強いか必要に迫られていないと“両立”は困難でしょう」(古川氏)

▼対策

あれもこれもと欲張るのをやめて、まずは「早起き」を習慣化させることに集中すること。ひとつの習慣に絞ることが原則だ。

また、欲張り派にしばしば見受けられるのは、完璧主義的な傾向だ。例えば、「6時起床」を数日続けて軌道に乗ったかと思いきや、ある日、寝坊してしまう。すると、そういういい加減な自分が許せないのか、早起きそのものをやめてしまう人もいるのだ。

「過度に真面目で杓子定規すぎるんですね。習慣が定着するまでの道のりは人それぞれ。スムーズに進む人もいれば、目標を達成できる日やできない日があり一進一退のジグザグを繰り返しながらゆっくり定着へ向かう人もいます。精神的にバッファ(ゆとり)をもつことも、早起き継続に必要なメンタリティーなのです」(古川氏)

早起き習慣をその日だけは実行しなくてもいいという例外ルールを設けることが大切なのだ。ただ、飲み会は2日連続にしない、など自分なりの歯止め作戦を立てることも忘れないように。