【田原】事業は順調ですか。

【牧浦】いまインドネシアの省庁にアプローチしています。すでに多くの生徒に使ってもらっていますが、インドネシアは全国に400万人の高校生がいます。さらに普及させるには、国が認定したサービスだというお墨つきが欲しい。そのために奔走していて、明日も大臣と会うためにジャカルタに飛びます。

【田原】インドネシアの事業がうまくいったら、次はどうしますか。牧浦さんは1つのところにじっとしていなさそうだけど。

【牧浦】将来は政治の世界にも興味があります。人間が生きていくうえで必要なものは、食、ヘルスケア、教育、それと政治の4つです。このうち食はアフリカで、ヘルスケアはタイでやりました。そして教育はいまインドネシアでやっています。あとは政治なので、ゆくゆくはぜひチャレンジしたい。今年から国家戦略特別区域会議のメンバーに入っていて石破茂大臣や舛添要一都知事と議論をして政治が身近になってきました。ほかにも20歳から立候補できるように被選挙権を引き下げる活動を与野党の方と一緒にやったりもしています。いまのうちに世界に出て、人的ネットワークを築いて、いろんなことを経験して勉強しておきたいですね。

【田原】わかりました。牧浦さんの活躍、注目しています。

牧浦さんから田原さんへの質問

Q. 相手から本音を引き出すコツを教えてください!

【田原】僕のインタビューがきっかけで失脚した総理大臣が3人いるけど、コツなんてないですよ。僕は自分が聞きたいことを好き勝手に聞いているだけ。ワイドショーのキャスターは興味ないテーマでも、興味のあるフリをして話を聞かなくちゃいけない。僕はわがままだから、そんな器用なことはできません。

相手の本音を聞きたかったら、こっちも本音で話さないとダメ。こっちが真剣だから、向こうも「こいつにウソはつけないな」と考える。逆にこちらがおざなりな質問をしていたら、すぐ見抜かれて手を抜かれます。僕は、相手が誰であっても、とにかく自分が聞きたいことをストレートにぶつけます。だから相手からも剥き出しの言葉が出てくるのでしょう。

田原総一朗の遺言:まずは自分が裸になれ!

田原総一朗
1934年、滋賀県生まれ。早稲田大学文学部卒業後、岩波映画製作所入社。東京12チャンネル(現テレビ東京)を経て、77年よりフリーのジャーナリストに。若手起業家との対談を収録した『起業のリアル』(小社刊)ほか、『日本の戦争』など著書多数。
(村上 敬=構成 宇佐美雅浩=撮影)
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