【田原】ルワンダで何をしましたか?
【牧浦】ルワンダ人はキニャルワンダという現地語を話すので、まずは通訳兼サポートしてくれる人を探しに大学に行きました。大学には日本のアニメや漫画が好きな人が集まるコミュニティがあります。そこで僕たちがやろうとしていることを説明したら、1人の学生が協力してくれることになりました。次は、授業を撮影させてくれる先生探し。ルワンダ国立大学の学生にいろいろヒアリングしたところ、ある女子高校の先生の授業が最高にいいとわかりました。すぐに先生と交渉して授業を撮影。そのDVDをコピーして、農村部の学校で配布しモニタリングを始めました。
【田原】資金はどうしたのですか。
【牧浦】最初にアツさんから30万円渡されましたが、それだけです。DVDを撮影して配ったら、その人件費と輸送費でなくなっちゃいました。バイトも考えましたが、ルワンダで教育支援して雇用をつくるために活動しているのに、僕が雇用を奪ったらナンセンス(笑)。すっかり行き詰まりましたね。
【田原】それでどうしたの?
【牧浦】ある農村にDVDを配布したとき、農作物をためる小屋に、キャッサバが大量に積まれているのを見ました。よく聞いたら売れ残りだという。その村から大きな道路まで2キロくらい離れていて輸送方法がないから、余るんだそうです。その後、首都のキガリに行ったら、国連関係者が「隣国コンゴの内戦でルワンダに大量の難民が流れ込んでいるが、食料がない」と嘆いていました。それを聞いて、農村で余った農作物を売ってもらい、都市部に持っていって国連に市場価格で買い上げてもらえば活動費が出るなと。
【田原】輸送方法は?
【牧浦】国連からトラックを借りました。国連の人は基本エリートだから、泥臭い仕事はあまりやりたがらない。僕らが買い付けから輸送まですべてやるからといったら、あっさりトラックと運転手を貸してくれました。これがうまくいって、e-Educationも軌道に乗りました。さらに農業の事業はタンザニアやエチオピア、ケニアでも展開。その様子を見ていた世界銀行から、「うちの傘下でやらないか」と声がかかったので、2014年の5月に合意をして、向こうに任せることにしました。