自家用車の乗り合いサービスでタクシーに代わる「Uber」、民泊を仲介する「Airbnb」……個人の持つ資産を分け合う“シェアリングエコノミー”と呼ばれるサービスが増えてきている。「スペースマーケット」もその1つだ。会社の会議室、映画館、寺、教会、あるいは島(!)といった、“一時的に余っている”スペースを希望者に貸し出すマッチングサービスで、毎月2割ずつ利用者が増えているという。

同社社長の重松大輔氏は、早稲田大学法学部卒業後NTT東日本へ入社。しかしベンチャー企業のフォトクリエイトに転職する。その後、100もの事業案を考え、妻のアドバイスを受けてプランを練り上げて起業したのがスペースマーケットだ。シェアリングエコノミーはこれからどうなる? 重松大輔氏と田原総一朗氏の対談、完全版を掲載します。

「余っているリソース」と「使いたい人」をマッチングさせる

【田原】スペースマーケット(https://spacemarket.com/)は、シェアリング・エコノミーの会社だそうですね。最近よく聞くUberやAirbnbもそうだし、以前この企画で話を聞いたメルカリも同じだという。基本的な質問で申し訳ないですが、シェアリング・エコノミーとはどのようなビジネスを指すのですか。

【重松】定義はいろいろありますが、私たちの領域でいうと、遊休資産のマッチングですね。世の中には遊んでいる土地とか、活用されていないスキル、クルマの空いている時間など、本当は役に立つけど一時的に余っているリソースがいろいろあります。それらを使いたい人たちとプラットフォーム上でつなげて貸し出すのです。私たちの場合は、取り扱う遊休資産がスペース、つまり空間というわけです。

【田原】マッチングはどうやってやるんですか。インターネット?

【重松】はい。空いているスペースを持ったオーナーは、弊社のサイトに登録をしてもらいます。サイトには貸し出し可能な空間の写真がずらりと並んでいて、借りたい人はそれを見て選び、お互い条件に合意したら契約が成立です。決済は事前にやっていただきますが、トラブルが起きないように私たちが間に入り、貸し出しが終わった後に空間のオーナーに入金するという流れになります。

【田原】具体的にはどんな場所を貸し出してもらえるのですか。

【重松】本当にさまざまです。会社の会議室から、映画館とか、お寺や教会というのもあります。

【田原】映画館?

【重松】映画館はもともとイベント用に貸館をやっています。平日の午前中はお客さんが少ないですから、映画によっては上映するより貸し出したほうが映画館も儲かります。実際、私たちのサービスを使って社員総会を開いている企業もあります。