12月9日に最終回を迎えるドラマ「じゃあつく」「あんたが」こと、「じゃあ、あんたが作ってみろよ」(TBS)。ライターの村瀬まりもさんは「ドラマと『さす九』の関連記事を書いたところ、実際に『さす九』を経験した女性たちから多くのコメントが寄せられた」という――。
2024年7月27日、カリフォルニア州サンディエゴで開催されたコミコン・インターナショナルで、Amazon Prime Videoの「龍が如く」のインタビューに答える俳優の竹内涼真氏
写真=AFP/時事通信フォト
2024年7月27日、カリフォルニア州サンディエゴで。Amazon Prime Videoの「龍が如く」のインタビューに答える俳優の竹内涼真氏。「じゃあ、あんたが作ってみろよ」の勝男役

「じゃあつく」はハッピーエンドになるのか

勝男(竹内涼真)「もう一回やり直そう、俺たち。今の俺たちならうまくいくと思う。鮎美も俺も変わったし、前みたいにはならない」
ドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」(TBS)第9話

12月9日に最終回を迎える話題のドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」(TBS)。大分県出身の九州男児、エビカツこと海老原勝男(竹内涼真)は「家で料理作って愛する人の帰りを待つっていうのはさ、女の幸せだと思うけどな」と主張するなど、古い男女観を持った“化石男”だったが、同郷の彼女・鮎美(夏帆)にプロポーズを断られて以来、考え方を180度変え、自分で料理を始め、家事をこなすようになった。

第9話で勝男は元カノの鮎美と再接近。「勝男さんは今の方がいい」と言う鮎美に復縁を申し出たのだが、果たして受け入れてもらえるのだろうか。

TBS公式 YouTubooより

100件近い経験談が寄せられた

一方、大分では、勝男の父の亭主関白ぶりに長年耐えてきた母の問題が解決していない。第6話、法事のときに礼服姿の妻を台所へ戻らせ、魚をおろして刺身にさせた父。これが、九州では女性が家事を押しつけられがちだという言葉「さす九」を描いているのではないかという前回の記事には、200を超えるYahoo!コメントが付いた。その半数以上が、九州出身・在住者からの声だった。

寄せられたコメントには、リアルな男尊女卑的な家庭のエピソードが詰まっていたので、この記事でいくつか紹介させていただきたい。

鮎美と同棲していたときの勝男は、家事全般を彼女に任せっきりで、料理に文句までつけていた。現実でも、そういう男性はまだまだ存在するようだ。

「旦那が九州男児です。以前、旦那の実家に行った時の事です。台所で食事をしてた時、旦那が隣の部屋にいた妹さんに『おい、これレンジで温めろ!』とわざわざ呼びつけてました。しかもレンジは自分の手の届く場所にあるにも関わらずです。妹さんも文句を言わずに温めてましたから、これがこの家では普通なんだとゾッとしました。そんな旦那と『じゃあつく』を一緒に見てますが、カツオ(勝男)の姿が自分とは思わないようです」

「男子厨房に入らず」は昔の話ではない。次のコメントからは、現在の40代でも、料理関連の家事をいっさいしない夫が存在し、ついにはドラマの鮎美や勝男の母のような、妻ポジションの女性たちに見放される事態になっていることがわかる。

「北九州出身のウチの夫、自覚ナシのさす九男です。いま20代の方だとそんなことないんでしょうが、40代はバリバリ残ってます。配膳すら手伝わない、料理の味付けや品数にケチつけ、自分の方が冷蔵庫に近くても調味料、ひとつ取らない。女のことを基本下に見てて、外で仕事している俺様の方が偉いので妊娠出産しても気を遣う必要がないという理論でモラハラが酷かったです。徹底的に糾弾して結婚当初よりマシにはなりましたが、子供が大きくなったら離婚一択です」