コーチングを受けることで部下を導く自信をつけた女性部長と、プレーイングマネジャーから、究極のゼネラリストに変身した製薬会社社長を紹介する。一人ひとりが考えて動ける組織をつくるために、コーチングをどう活かせばよいだろうか。

孤軍奮闘の女性部長が「伴走型リーダー」に

日産自動車の原田利恵子氏は、1980年の入社以来、一貫して企画畑を歩んできた。オーストラリア市場を担当し、ピックアップトラックのシェアを広げるなど能力が認められ、2004年、企画部門から一転、国内営業部門の店舗運営支援部の部長となった。

ところがここで原田氏は大きな壁にぶち当たった。一挙に50名の部下を持つことになったが、多岐にわたる業務内容を理解し、遂行するのに精いっぱいで、トイレに立つ時間もとれない。常に社内を走って次のアポイントへと向かうような状態だった。組織を率いていくべき立場にありながら、それが実行できず、部下から「部長が物事を決めてくれない」「部長と打ち合わせしたくてもスケジュールがとれない」というような不満が噴出してしまったのである。