都心で45店の規模に強気のアパグループ
都内の他のエリアでもホテル事業参入組は続々と出現し、13年3月に台東区池之端に開業した「ホテル グラフィー ネズ」は外国客が全体の9割を占める。コンセプトは「ゲスト交流型ホテル」で、運営会社のグローバルエージェンツの山崎剛社長は「ゲスト(宿泊客)とレジデンス(住人)が同じ空間を過ごすホテルです」と説明する。
もともと同社は都内を中心に社員寮などをリノベーションした高級シェアハウスを展開してきたベンチャー企業。その延長線上に生まれたのがホテルグラフィーで、客室や共用スペースのデザインを洗練したことに加え、レジデンスである日本人と気軽に交流できることが、外国客を魅了してやまない。
そして、ミドルクラスの市場で存在感を高めているのがアパグループだ。すでに都心で31店のホテルが営業中で、20年までに14店の新規開業を計画。新宿地区だけに限ってみても3店を営業し、今年9月に620室の旗艦店を歌舞伎町に開業予定のほか、さらに17年に2店の開業も計画する。
そこまで強気になれるのも、既存の都内の店舗の多くが、客室稼働率で100%近い数字を叩き出しているから。しかも閑散期に1泊6000~8000円の客室単価が、繁忙期には2万~3万円台に跳ね上がるという。今年4月の全国の同グループの外国客比率は23%と過去最高をマークした。
アパグループの元谷外志雄代表は自らの戦略について「ホテルは立地産業で、出店は駅前徒歩2~3分圏内に限定し、相場に合わせた価格を提供すればうまく回っていきます。これからも立地条件に合う不動産物件があれば、積極的に投資していく考えです」と強気の姿勢を崩さない。