意図せず大きく動いた心を、どう落ち着かせるのか。
「いま起きていることとは正反対のことを考えるようにしています。慌てがちなときは慌てず、急がず。逆にノルマを達成したら、どんなに嬉しくても『勝って驕らず』。未達成なら『負けても腐らず』」どこかで自分を醒めた目で見つめるもう一人の自分がいなければ、状況にあっさり呑みこまれたまま抜け出せなくなる。
「起きていることとは逆のことを考えて、心を塩梅のいいところに持ってくる。嬉しいことは嬉しい、悔しいことは悔しい。でも悔しさが妬みやひがみに変わるとよくないし、喜んでも満足しすぎるとよくない」
まさに、心を「整える」わけだ。
「常に平常心でいたい。平常心でいると、お客様のサインを見逃しません。お客様の今日決めてもいいんだけどな、というサインは見逃さないように努めています。たとえばご夫婦でいらして、2人が顔を見合わせたら席を外して、考えてもらう時間をつくったりとか」
もちろん、それでもうまくいかないこともある。そういうときは、その場で必ず理由を考える。“当たり前”を当たり前にこなすべく、心を「いい塩梅」に保たんとする根本氏。トップアスリートにも通じるその姿勢から学ぶところは多そうだ。
1997年 トヨタカローラ埼玉入社。DUOわらび店に配属。同期入社20人中、販売台数1位になり、新人賞受賞。
2000、01年 トヨタ自動車よりメーカー表彰(2年連続)。トヨタカローラ内新車法人営業の上位10人程度に贈られる賞。
2009年 フォルクスワーゲンジャパン販売に転職。
2010年 人生で2度目の新人賞受賞。
2012年 年間114台を売り上げ、全国No.1に。
●デキる男の本の選び方、購入場所、読書タイム
『心を整える。』 長谷部 誠著/幻冬舎
―心は磨くものでなく整えるもの―
サッカー日本代表のキャプテンが、常に力と結果を出すための秘訣を明かす。それは「いかなるときも安定した心を備えること」という。大勝負の前夜の過ごし方、落ちこんだときの対処法などを具体的に紹介する。
―どんな本を仕事に役立てている?
スポーツ選手をテーマにしたノンフィクションが好き。社内報で社長が勧めている本のリストから選ぶことも。営業についてのノウハウ本は、最近はあまり読まない。
―挙げた書籍以外に印象深いものは?
『イチロー 262のメッセージ』。結果を残した人はどのような考えを持っているのかを知りたいと思い、手に取った。
―どこで本を買う?
近所の書店など。休日に一人で立ち寄って購入している。
―いつ読んでいる?
3人の子供を寝かしつけた後の時間。妻が看護師をしているため、子供のお風呂と寝かしつけは自分が担当。一緒に寝てしまわなければ、その後は読書など好きなことに充てている。