『嫌われる勇気』『心配事の9割は起こらない』『一流の男の勝てる服 二流の男の負ける服』『覚悟の磨き方』『外資系コンサルの資料作成術』『問題解決』『ビジネス・フレームワーク』。2014年上半期、よく売れたビジネス書である。これらベストセラーはすべて、あらゆる老若男女に受け入れられているように思えるが、購入者の分類に大きな性差がある。先にあげたタイトルであれば、前半の4冊は男性読者、後半の3冊は女性読者が多い。ここでは本を陳列・販売する書店員の立場から、ビジネス書ベストセラーの購買者の性差について述べたい。

男性読者が購入するビジネス書は、タイトルに「嫌われる」「孤独」「心配」「一流、二流」「覚悟」等の言葉が入るケースが多い。本の売れ行きは、書かれている内容はもちろん重要であるが、タイトルがうまいと、つい手に取り、購入に結びつきやすいようだ。男性読者は「嫌われているのは俺だけではない!」「一流の人物はみな孤独だ!」「最低限、二流とは言われたくない」という意識が働き、こういったタイトルの本を手にとる。辛いのは自分だけではないという自己承認欲求が強いようだ。

(丸善 小板橋頼男)
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