私的な感情を表に出してはならない
ほとんどの人は上司に好かれたいと思っている。部下に対する上司の感情がどのようなものであれ、部下は上司の態度にきわめて敏感で、上司の非難や嫌悪の表情はどんなものでも自分のパフォーマンスに関係があると思い込む。公正、公平で、冷静な態度を保つ責任は上司にある。「人間関係を損なわないためのポーカーフェースを身につけることが大切だ。仕事に徹している前向きな上司という印象を与えることができなくてはいけない」と、ダットナーは言う。
100%癇に障る人間などいないのだが、われわれは好きな人間の一番よい面を見て、嫌いな人間の一番悪い面を見がちである。「お気に入りの部下の欠点を探し、嫌いな部下の欠点を補う特質を探すことは、よりバランスのとれた見方をする助けになる」と、ダットナーは言う。その部下の好きなところを探そう。「すばらしい人間だと仮定して、彼らの得意なことや彼らがどのようにチームの役に立てるかに目を向けよう」と、サットンは言う。
彼が勧めるのは、次の点についてたびたび考えてみることだ。この部下の力量と限界からすると、彼に何をやらせればチームにとって最も有益か? この頑張り屋の部下は、今の仕事に加えてさらにいくつかのプロジェクトを引き受けられるか? この部下ののんびりした話し方は、チーム全体をもっとよく考えてから話そうという気にさせるのではないか?