上司と部下の職業観が大きくズレている

一生懸命に指導しているのに、なぜ部下は変わらないのか。何を言っても響かない部下を見て、このように悩んでいるマネジャーの方は多いことと思います。しかし、それはお互いさまでもあります。じつは部下の側も上司に対して、自分はこんなに頑張っているのになぜわかってくれないのかと、もどかしい思いを抱いています。

私たちは営業のコンサルティングで、上司と部下の両方からヒアリングを行う機会があります。最近数多く目にするのが、次のようなパターンです。上司にヒアリングすると、「部下はやる気がない」「ゆとり世代で使えない」と不満が次々に噴出してきます。しかし、部下に直接会って話を聞いてみると、素直で明るく、けっしてやる気がないようには見えない。一方、部下は上司について、「考え方についていけない」「叱咤激励がつらい」と数多くの不満を抱いています。このように、上司も部下も双方が前向きに取り組んでいるのに、どうも思いがすれ違い、組織としてうまく機能していないケースが頻発しているのです。

どうして上司と部下がかみ合わないのか。そうした問題意識を持ってコンサルティングしていくうちに、「かみ合わない原因は、仕事のやりがいやゴールのイメージが違うからではか」という仮説にたどりつきました。根本的な職業観が異なっているため、お互いに山頂目指して努力していても、そもそも登る山が違っており、ズレが生じるのではないかと考えたのです。仮説を検証するため、上司層300人(40~50代の中間管理職)と、部下層300人(20~30代)の現場で顧客を持つ営業マンにアンケート調査を行いました。その中で「仕事に何を望みますか」と質問したところ、上司と部下の職業観の違いが浮き彫りになりました。