品薄感を演出する小出しの販売計画
会員になるとこれでもかと資料が送られてくる。ここで、まず注意するのは、施工業者だ。スーパーゼネコンの5社(大成、鹿島、清水、竹中、大林)はいいとして、準大手・中堅ゼネコンの評判くらいは調べておこう。中には再建途上の業者もある。必ずしもダメなわけではないが、松竹梅でいうと、金融支援を受けた会社には、松もあるが梅も多い。
次に注意すべきことは、第一期分譲、第二期分譲などと小出しに分けて売り出す販売計画だ。狙いは供給を絞って品薄感を演出し、売りにくいものから売ることである。例えば、低層階や北向きの部屋などを先に売り出す。また、「即日完売!」も、予約を受け付けただけでも売れたことになるし、誰が予約したかもわからない。そのまま鵜呑みにすべきではない。
不動産に掘り出し物はない。掘り出し物は一般人が目にする前に業者やセミプロ的な投資家が攫ってしまう。だが、外れは確実にある。ババを掴まぬためには、情報収集と多くの物件を自分の目で見ることだ。
建設会社を経て、2002年から消費者に真実を伝えるセカンドオピニオンとして「住まいと土地の総合相談センター」を主宰。