田原総一朗が見た徳重 徹の素顔
電動バイク市場は大きな可能性を秘めている。日本のガソリンバイク市場は30万台に過ぎないが、アジアは5000万台。将来その多くが電動バイクに切り替わると、新たに巨大な市場が出現することになる。
既存のバイクメーカーにとっても、アジアの電動バイク市場は魅力的だが、ヤマハやホンダといった大手企業はガソリン時代からのしがらみがあり、簡単に電動バイクに舵を切れないという。その点、ゼロからスタートする徳重さんは有利だ。
社長自ら現地に入って交渉するのも、徳重さんの強みだ。一般的に日系企業の現地駐在員は権限が小さく、大事な案件はいちいち帰国して役員会にかけたりする。徳重さんには、フットワークの軽さという強みを最大限に活かして頑張ってほしい。
1970年、山口県生まれ。九州大学工学部卒業後、住友海上火災保険(当時)入社。29歳で退社後、米Thunderbird国際経営大学院でMBAを取得し、シリコンバレーでベンチャー支援事業に携わる。2010年にテラモーターズ設立。2年で国内シェアトップに。12年にはJAPAN Venture Award中小企業庁長官賞を受賞。
田原総一朗
1934年、滋賀県生まれ。早稲田大学文学部卒業後、岩波映画製作所、テレビ東京を経てフリーに。活字と放送の両メディアで評論活動を続けている。『塀の上を走れ』『人を惹きつける新しいリーダーの条件』など著書多数。