【田原】インドの人がいろいろうるさいとすると、徳重さんは有利だよね。日本の大企業は何かあると、いちいち本社に問い合わせなきゃいけないけど、あなたは自分で決められる。
【徳重】アジアは意思決定のスピードが速くて、財閥系の大きな企業でも2回目の会合で出資割合が決まったりします。何度も本社に持ち帰って条件をすり合わせるというやり方では、ついていけない。僕は1カ月に1週間はインドにいるので、話は早いと思います。
【田原】最後に思い切って夢を語ってほしい。来年のいまごろお会いすると、テラモーターズのバイクはアジアで何台くらい売れているかな。
【徳重】目先の目標は、まず1万台。これは春から量産が始まればすぐに達成できます。次の目標は、2年以内に10万台。売り上げでいうと100億円です。最終的には、アジアのバイク市場5000万台のうち2割は取りたい。きちんと基礎固めをしながら挑戦していきたいです。
【田原】余計なことかもしれないけど、いまオフィスは四畳半のスペースですね。会社が大きくなれば引っ越すの?
【徳重】当面変えるつもりはないです。僕らベンチャーは、コスト感覚が重要です。いま若いやつにどんどん任せているのですが、海外で事業が拡大したときにも、事務所にお金をかける必要はないという感覚を忘れてほしくない。そうした思いを込めて、事務所は狭いままでいいと考えています。
【田原】若い人って、何歳くらい?
【徳重】いま海外にいる社員の半分以上はインターンから行っていて、普通に就職していたら社会人2年目、3年目のやつらばかりです。ベンチャーにとっては人材が悩みのタネですが、ありがたいことに僕たちのビジョンに共感してくれる人が多く、若い人だけでなく経験者もきてくれています。
【田原】そうですか。日本発のメガベンチャー、期待しています。