解説

正解はA。次点はC。おすすめしないのはB。Bは飲み会などのお礼メールでよく見る。お礼を伝えているので悪くはないが、「貴重な時間・話」「勉強になりました」「楽しかったです」という言葉はほとんど相手の印象に残らない。

せっかく一言入れるなら、相手が聞きたいことを意識して盛り込むようにしよう。飲みの場で話したことは案外自分で覚えていないことも多いので、後日「これとこれがおもしろかった」と具体的に言われると、リマインダーになって嬉しいもの。「この人とつき合っているといいことがある」と思わせられる。

当たり障りのない文章を入れるくらいなら、Cのように本題以外は入れない手もある。会ったとき丁寧に対応するのは大前提だが、「そういうキャラクターの人なんだ」「忙しい人なんだ」と思ってもらえれば失礼にはならない。

博報堂ケトル代表・共同CEO 嶋 浩一郎
1968年生まれ。上智大学卒業後、博報堂入社。企業のPR・情報戦略に携わった後「広告」編集長を務め、2004年に「本屋大賞」を立ち上げる。06年博報堂ケトルを設立。著書は『企画力』『嶋浩一郎のアイデアのつくり方』など。雑誌「ケトル」の編集長も務める。
(構成=飯島裕子 撮影=向井 渉、宇佐見利明)
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