加えて、身体障害者向けの制度は、地域によってかなり差があることも、手続きがわかりにくい原因の一つだ。たとえば、東京都墨田区の1級所持者なら年額3万円分の心身障害者福祉タクシー料金・自動車燃料費助成共通券、都営交通無料パスが支給されるが、他県では一切ないところも。
同様のことは介護保険料にもあり、保険料は介護保険を利用する人がどのくらいいるか、またどんなサービスの需要が多いかなどによって変わる仕組みになっている。
参考までに第1号保険料(65歳以上)の介護保険料を例にとると、現在(平成24~26年度:第5期)の全国平均は月額4972円だが、自治体別に見ると月額2800~6680円と4000円近い地域格差がある(表参照)。厚生労働省は現在、介護の必要度が低い「要支援1、2」へのサービスの一部を全国一律の介護保険サービスから市町村事業に移行させる見直し案を検討中と伝えられている。これが始まったら、さらなる地域格差が生まれる可能性もある。
離れて住む親にしてあげられることは限られる。しかし、もし親が倒れたら、親が住む地域の介護関連制度を調べ、その複雑な手続きを手伝ってあげることが重要であることを心得ておこう。