先日、米オバマ大統領の「私もかつて大麻を吸っていた」という発言が話題となったが、アメリカで実際に大麻解禁の動きが広がっている。
コロラド州では今年1月1日から嗜好用大麻の販売制度がスタートした。これまで20州とワシントンDCで医療用大麻の販売が認められていたが、嗜好用についてはコロラド州のケースが初めて。21歳以上の州民であれば一オンスまで購入できる。もちろん所持や使用も罪に問われない。
大麻の規制は、国連が1961年に採択した「麻薬に関する単一条約」が国際社会における基本ルールになっている。同条約で大麻はヘロインやコカインなどと並んで厳しく管理される薬物に分類されている。
ただ、実際の規制の厳しさは地域によって温度差がある。ヨーロッパは比較的寛容だが、アメリカは欧米諸国でもっとも規制が厳しい。そのアメリカで、なぜいま解禁の動きが出てきたのか。薬物事件を数多く手がける小森榮弁護士は次のように指摘する。
「アメリカでも大麻に害があることを疑っている人はいません。ただ、リスクはタバコやアルコールと同程度という研究もあり、以前から他の薬物と同じように規制するのはおかしいという解禁論がありました。一方、膨大な予算を投入して規制しても状況は改善せず、税金の無駄遣いだという声もあがっています。そこから刑罰で封じ込めるのでなく、非犯罪化してコントロールしようという動きが出てきた」
大麻の有害性への疑念に加えて、「税金の節約」が、大麻解禁の大きな目的としてあるということのようだ。