自民党政権の本質とは

民主党には元自民党出身の政治家も大勢いたし、野党時代には与党の政策や政権運営を厳しく問い詰めて、健全な野党としての機能も果たしていた。二大政党の一翼を担い、自民党政権の受け皿になる準備も十二分にしていたはずだ。ところが、いざ民主党が政権を運営する側に回った途端に機能不全に陥ってしまった。

リビアで起きた「アラブの春」から2年経ったが治安の悪化は続いている。(AFLO=写真)

それはなぜなのか。民主党の体質や政治手法に問題があったのは事実である。しかし、民主党イコール政権政党失格という結論を出す前に、吟味しなければいけないことがある。

それは、もっと根源的な問題として、長らく自民党が居座ってきた日本の政治システムを考えてみるべきだ。そこには、自民党支配からの脱却を阻むような仕掛けがあって、政権交代時には「アラブの春」現象が発動するようになっているのではないか、ということだ。

ここで自民党政権の本質について、考察してみたい。

自民党政権には主に4つの特質がある。第1は、自民党は決して言葉に出しては言わないが、「中央集権」の体質であるということだ。中央集権を補完するのは、中央官僚である。すなわち官僚依存、官僚主導による中央集権的国家運営が、自民党政権の第1の性格なのだ。

「官に仕事をさせるのが政治家の役割」というのが自民党の考え方で、安倍政権もさまざまなコミュニケーションの現場に官僚を絡ませることで、政権運営がうまくいっているように演出している。成長戦略でも、「特区」という言葉を使っているが、「特区」というのはいわば“お上のお目こぼし”だ。日本全体を変えようとするなら、中央官僚の権限を外せばいいが、安倍首相はそこまでやるつもりはない。

この国の中央集権体制は江戸時代から続いてきて、明治維新、戦後を通じて維持・強化されてきた。そして戦後における中央集権体制の担い手が自民党で、官僚主導の中央集権こそが自民党にとって唯一無二の成功の方程式なのだ。だから、中央集権体制が“動脈硬化”を起こして、新しい日本に生まれ変われない最大の要因になっているにもかかわらず、自民党政権では中央集権を打破することはできない。

民主党政権はこれを打破しようと「官から民へ」と訴え、中央官僚にそっぽを向かれた。弊害が顕著に出たのが外交で、たとえば中国大使に民間の丹羽宇一郎氏を起用したために、外務省は冬眠モードに入り、中国との関係がこじれて収拾がつかなくなってしまったのである。

自民党が長年かけて築き上げてきた官僚主導の中央集権システムは、堅牢だ。その構造を理解していない民主党政権が思い付き程度で「政治主導」とか「仕分け」と言ってみても、このシステムは簡単に壊れない。政策新人類と言われた民主党の枝野幸男元幹事長をして「(政治主導などと)うかつなことを言わなければよかった」と言わしめたほどだ。