成長する人材、永続する組織には、いずれも「変化することを恐れない」という共通点があります。一方、いくら努力しても停滞が続く人や組織には、「これがいままでのやり方だから」「自分はこの程度だろう」といった決めつけ、思い込みがしばしば見受けられます。野村克也さんの遺した名言のひとつに「固定観念は罪、先入観は悪」というものがありますが、その背景にはどんな思いがあったのでしょう。

成功者ほど自分を変えることができない

成功体験がある人や華やかな実績のある人ほど、なかなか自分を変えることができないものだ。これは、一個人に限らず企業や組織についてもあてはまることだろう。だが、時代が変われば人も変わり、世の中の流れも変わる。自らを取り巻く環境や置かれる状況だって変わる。

そうなれば当然、従来の方法ややり方も変えるべきだが、どうしても「いままではこれで成功してきたのだから」「これがわが社のやり方だから」といって、従来のアプローチにこだわってしまうケースは多いものだ。

(構成=岩川悟 図版=佐藤香奈 写真=川しまゆうこ、産経ビジュアル)