選挙に負けても「自分ファースト」
衆院選、東京都議選、参院選と3連敗、ついに衆参両院で過半数割れという歴史的な事態に陥った石破茂首相だが、それでも首相の座に居座り続けている。
一方、裏金問題や相次ぐスキャンダルで自民党敗北の原因をつくった側が、このままでは選挙は勝てない、政権を失ってしまうと、石破降ろしに血道を上げている。この奇々怪々の権力闘争をマスコミも連日大きく取り上げ、主導権を握ったはずの野党第一党・立憲民主党はじめ野党側も、なすすべもなくことの成り行きを見ている。
物価高やトランプ関税で、日常生活にも暗雲が垂れ込めているなかで、政治家たちの自己保身「自分ファースト」の権力争いを毎日見せられる国民の側はたまったものではない。なぜ、こんな緊張感も躍動感もない政治になってしまったのか。
参院選後の自民党のドタバタは、少し大げさに言えば、日本の民主主義が大きな曲がり角に来ていることを見せているのかもしれない。
「3連敗、スリーアウトチェンジだ」
これまでの政界の常識でいえば、石破首相に退陣以外の選択肢はない。問題は、いつ、どんな形で辞めるのかということだけだ。
石破政権は去年の衆院選で過半数割れの惨敗を喫し、ことし6月の東京都議選でも惨敗、これに続く参院選でも過半数を割り込む大敗を喫した。この参院選は事実上の「政権選択選挙」になった。
昨年の衆院選が本来の「政権選択選挙」だったのだが、その選挙で敗北し過半数を割ったにもかかわらず、野党がまとまらなかったために、石破政権が少数与党のまま存続してきた。そこで今回の参院選は、その自公連立の石破政権を今後も続けていいかどうか、国民に改めて信を問う意味合いがあったからだ。
そしてその選挙で自公は惨敗した。有権者は、「今の自公政権」以外の政権を選択したのである。それが「今の自公政権のトップ」である石破首相の続投を認めたことになるとは、どんな政治的な理屈や理論を持ち出しても説明できない。
自民党きっての「皮肉屋」としても知られる茂木敏充前幹事長は、26日に公開した自身のユーチューブ番組で、衆院選、東京都議選、そして参院選と敗れたことについて「3連敗、スリーアウトチェンジみたいな状態だ。何らかのけじめをつけないと自民党再生の道は見えてこない」と石破氏を痛烈に批判した。
スリーアウトチェンジを宣告されたのに、まだバッターボックスに立ち続けている。責任感も判断力もない首相だと言われるのは、政権を預かる最高指導者としては、これ以上ないくらい屈辱的だろう。
石破首相を襲う特大ブーメラン
参院選で過半数を割り込むほどの惨敗を喫した自民党の首相は3人いる。1989年の参院選で大敗した宇野宗佑首相と98年の参院選で敗れた橋本龍太郎首相の2人は、選挙結果が出た直後に退陣を表明した。直ぐに退陣表明しなかったのは、2007年の安倍晋三首相だけだ。


