新たなアイデアを実現したいとき、周りの力を借りるにはどうしたらいいか。SF作家でコンサルタントの樋口恭介さんは「まだまだ大勢いる『常識』にうるさい人は、『常識』から外れた人に容赦がない。だから一定の実績を重ね、信頼を得るまでは、服装などの『本質的ではない部分』で下手に自分らしさを出さず、『建前』を徹底することが大切だ」という――。

※本稿は、樋口恭介『反逆の仕事論 AI時代を生き抜くための“はみ出す力”の鍛え方』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

一列に椅子に座って働くビジネスマンのグループ
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組織人が目指すべき「はみ出す人材」に必要な条件

いくら斬新なアイデアを見つけ出し、ストーリーを組み立てようと、あなたが「目立ちすぎて」いると、周囲の人は巻き込まれてはくれません。

人間はデータだけでは動かないのです。

例えば、協調性がなく、組織から浮いている人が、いくら「ぶっ飛んだアイデア」を出して、それらしいロードマップをいきなり出してきても、協力したいと思う人はまれでしょう。

それは、もう少し早く声をかけておけばとか、アイデア段階から協力してもらえば、という話でもありません。

いいアイデアがあるから一緒にロードマップを組んでほしいとか、一緒にSFプロトタイピングに取り組んでほしいなどと声をかけても、それは同じことだと思います。自分のやりたいことをやろうにも、組織で孤立していては、ことは思うように進みません。

ともかく、組織の人たちに、

「この人の助けになるなら、協力してあげよう」
「この人の頼みなら、どうにかしてあげたいな」

と思わせる。

そんな「味方の力を借りる力」を持つことが、組織人が目指すべき「はみ出す人材」「周りを巻き込む変人」になるために必要な条件です。

では、どうすればその力を身につけることができるのか。

よく聞くのは「人間力を磨く」という物言いです。

しかし僕は、これはあまり正確ではないと考えています。僕がこれまで経験してきた現場を見渡す限り、結局のところ、内面が真人間でないといけないわけではありません。

いくら「いい人」でも人がついてくるとは限らず、逆に言うと、少々人格が破綻していようと、振る舞い次第では組織の人を巻き込むことができるのです。

要は、人を巻き込むにはポイントがあり、そのポイントさえ押さえていれば、問題ないのだと思います。