サービスとは、日本社会では「無料」を意味しがちですが、お客様が本当に納得するサービスを提供し、結果として単価が上がるということを持続させることが企業経営の鍵だと言えます。そのためにはまず、人の力が必要。その不足を補うために、テクノロジーといかに共存していくかについて考えたいと思います。

「規模の論理」が追求できないサービス業の実態把握を

第16話では、日本のサービス業が「サービス」という付加価値を価格転嫁できずにコスト削減に偏った戦略を取ってきたことと、その弊害について述べました。

そもそも日本社会では、「サービス」という言葉は「無料」を意味すると言っても過言ではありません。サービス業においてサービスが無料では、サービス業が成り立ちません。そこで、チップを導入したらどうかという議論もありますが、日本社会はチップという文化を簡単には受容できません。

(構成=大竹聡 図版作成=佐藤香奈 撮影=大沢尚芳)