前回は、アクティブリスニングをするうえで、なぜ相手に関心を持つことが大切なのかを解説しました。
今回は実践編です。相手に関心を持つのが大切とはいえ、どうしてもそうできないときはどうしたらいいのか。相手の話に興味が持てないあまり、途中で口をはさんでしまうのはなぜいけないのか。今回はその点を解説します。
今回は実践編です。相手に関心を持つのが大切とはいえ、どうしてもそうできないときはどうしたらいいのか。相手の話に興味が持てないあまり、途中で口をはさんでしまうのはなぜいけないのか。今回はその点を解説します。
「これはこうだろう」と早合点する
経営企画部のA部長は、仕事はできるものの、態度が大きく、相手の話を最後まで聞くことがありません。部長に昇進後、特にこの傾向が顕著になりました。部下が必死に話そうとしても聞く耳を持たないので、現場の状況がだんだん入ってこなくなりました。直属の部下だけではなく、各事業部長も事業部の企画担当も同じような思いをしています。部長になるまではエース級と見なされていたのに、部長になって尊大さが一気に増し、上長からもその姿勢と人望のなさを危惧されるようになってしまいました。本人も、何か自分を取り巻く空気に妙なものを感じているようですが、まさか自分に問題の本質があるとは思わず、改善のきざしは見えません。
マーケティング部のB課長は、特に態度が悪いといったことはないものの、相手の話を最後まで聞くことができません。早合点してしまって、相手に全部しゃべらせず、早々に「これはこうだろう」と決めてしまいます。いつもにこやかなのでそこまでの悪印象はありません。ただ早わかりの弊害で、他部署との連携にも、出入りの広告代理店とのやりとりにも何度も齟齬が起きています。それでも懲りず、やはり相手の話を聞かないので、皆、彼に何かを説明しようという気がなくなり、彼が関わるプロジェクトは軒並み頓挫し始めています。
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(図版作成=大橋昭一 撮影=的野弘路)

