※本稿は、小山浩子『「賢い脳」は脂が9割』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
やる気も、幸福感も「タンパク質」から
タンパク質は体内でアミノ酸に分解され、脳内で働く神経伝達物質の素になります。神経伝達物質には、やる気を出す「ドーパミン」や幸せを感じる「セロトニン」など、私たちの感情に関わってくるものがたくさんあります。
つまり、私たちの感情はある程度、食べたものに影響を受けているということ。タンパク源である魚や肉や卵、神経伝達物質をつくる過程で必要なミネラルやビタミンが不足すると、心が不安定になるのは必然といえます。
実際に、魚や乳製品、野菜や果物など健康的な食品を摂取する程度が低く、スナックやファストフードなど不健康な食事の程度が高いほど、うつ病のリスクが高まるといった研究結果について、国内外で複数の報告が出ています。
「感情コントロール」の舵を握る細菌
また、食べ物が心に影響することを示す理由として、「腸脳相関」があります。腸と脳には密接な関わりがあり、互いに強く影響し合っていることを示す言葉。「緊張するとおなかがいたくなる」というのが、まさに、それにあたります。
腸にも脳と同じようにさまざまな種類の神経細胞が存在しており、脳と情報を密にやりとりしているのです。
最近の研究では、子どもの腸の状態が感情のコントロールと関係していることも分かってきました。京都大学が行った3~4歳の子ども257人を対象とした調査によれば、好き嫌いが多く、緑黄色野菜の摂取頻度が低い子どもほど、感情制御が困難であることが確認されたのです。
同時に、感情制御が困難な子どもの腸内細菌叢には、体の炎症に関係する腸内細菌が多いことも分かりました。成人の研究では、炎症に関係する腸内細菌の多さは、うつや不安障害と関連することも指摘されています。食べ物は体だけでなく、心もつくっているということが、よく分かりますね。



