韓国の新大統領、李在明(イ・ジェミョン)氏はどんな人物か。『韓国・国家情報院』(幻冬舎新書)を書いた佐藤大介さんは「李在明氏はリアリストであり実務家だ。これまでの大統領とはタイプが異なる」という。ノンフィクションライターの山川徹さんが聞いた――。(第1回)
初の対面会談を前に握手する石破首相(左)と韓国の李在明大統領。「シャトル外交」を含め、緊密に意思疎通を推進する方針で一致した=2025年6月17日、カナダ西部カナナスキス
韓国の新大統領・李在明氏は何者か
――6月3日に投開票が行われた第21代韓国大統領選挙から、もうすぐ1カ月がたちます。
【佐藤】6月に大統領に就任した李在明(イ・ジェミョン)氏は、慰安婦や歴史認識の問題で日本に対して、厳しいスタンスをとってきた政治家です。
たとえば、2023年8月に日本が福島第一原発の処理水を海洋放出した際、「日本が汚染水テロという第二の太平洋戦争を起こした」と激しく批判しました。そうした経歴から、日韓関係の悪化を懸念する人が多いのは分かります。
李在明氏と同じ進歩(革新)系「共に民主党」の文在寅政権下(2017年5月~22年5月)では、日韓関係が冷え込みました。一言で評するなら、文在寅氏は思想の政治家でした。大統領就任前に竹島に上陸し芳名録に「東海のわが領土」などと書き込むことからもわかります。「慰安婦問題について日本政府に法的責任を問う」「北朝鮮とは融和的であるべき」……という強い理想があった。
では、これからの日韓関係はどうなるのか。
考える手がかりとなるのが、李在明氏と、文在寅(ムン・ジェイン)氏、そして前大統領の尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏のキャラクターの違いです。

