「伝える」前のたった2分でできること
たとえば面接の待ち時間やプレゼンの前など、緊張する出来事の前に考え事をするならば、足を組んで椅子に座り、ツメを噛む……などのしぐさは避けたほうがいい。これだけで、脳内のストレス・ホルモンのレベルが高まり、自ら自信のレベルを下げることになる。
先述した2例も含め、どんな形でもいいから、2分間体を大きく開いたり、伸びたりするだけで気持ちが上向き、脳内には自信のホルモンがみなぎってくる。たとえば人を訪ねる前に、トイレにでも入って大きく伸びをする、待っている間に仁王立ちをしてみる……など、実際にクライアントの前でとりにくいポーズは、あらかじめ自分だけで実行しておこう。そして人に向かったあとも、できるだけ体を開き、少し身を乗り出すくらいが効果的である。最後にカディ氏はこうまとめていた。
「身体は心を変え、心は振る舞いを変える。
振る舞いは、私たちの人生の成果を変える。
実力が足りないときには、自信があるフリをする。
そうするうちに、本当にそうなる――」
身体を開いて人に対面し、自信があるフリをするうちに、本当に自信がついて成果につながり、成果がまた自信をもたらせてくれることだろう。
さて、今日人と会う前にほんの2分間「力のポーズ」をためしてみてはいかがだろう。こうして体を開くポーズをとることは、「技術不要の人生術」だそうだから。
[参考資料]
* PLOS ONE, Embodied Emotion Modulates Neural Signature of Performance Monitoring Daniel Wiswede,Thomas F. Münte, Ulrike M. Krämer, Jascha Rüsseler
http://www.plosone.org/article/info:doi/10.1371/journal.pone.0005754