見た目の印象をつくるボディランゲージ
非言語行動(ここでは言語以外のボディランゲージや表情などを表します)は、他の人が自分をどう見て、どんな印象を持つかに影響する。では自分自身への影響はどうだろうか?
今回は、社会学者エイミー・カディ氏がプレゼンカンファレンスTEDで行った「ボディランゲージ(非言語行動)の自分自身への影響力」をテーマにしたプレゼンから“自信を持つために効果的な方法”をご紹介させていただこう。社会学者が政治家の1秒間の表情を分析しただけで選挙結果を70%言い当てられたほどに、その非言語要素は人物の印象に影響を及ぼすという。
では、こうした非言語要素の影響を、他者への印象ではなく、自分自身の内面へと置き換えてみたらどうなるだろうか。「人は、自分がより力を感じられるときには体を開き、より大きなジェスチャーをする。それを逆に考えて、自信がないときに大きなジェスチャーをすることで、自信を感じることができるのではないか?」という問いを元に、カディ氏らは実験を行っていった。
たとえば人は笑うだけで幸せになれる脳内物質が分泌される。それは、「笑うふり」「笑顔に似た表情」だけでも構わない。カディ氏もひと言ふれた有名な「笑顔」実験がある。その内容は、口をすぼめるようにして箸を縦にくわえたときと、笑うように口を横に広げて箸も横に加えたときでは、後者のほうが脳内に快楽に関係したドーパミンが出るというものだ(*)。“笑うフリ”だけでも楽しい気分になれる結果から、つまりは「楽しいから笑う」だけでなく、「笑うから楽しい」の両方の効果が考えられることになる。
ここから、小さな体の動きひとつが、脳や感情に大きく影響を与えるとわかるだろう。それでは「笑いの効果」同様に、どのように動けば人に強い印象を与えるだけでなく、自分自身に力がみなぎり、より自信が持てるようになるのかを見ていこう。