13年は混乱の年になりそうだ。それも突然、様々なことが続けて起こるのではないかと危惧している。ギリシャのデフォルト、米国の州の破綻というような国家レベルの問題、超一流企業の倒産のような企業レベルの問題も想定できる。
企業の話に絞れば、なぜ超一流企業が破綻する可能性があるのか。それは世界的にビジネスモデルが転換しているのに、多くの日本企業が対応できていないからだ。例えば家電業界では、中国や韓国企業が、そこそこの性能を備えた安価な製品を生産する能力を身につけた。国産の電化製品はガラパゴス化が進みハイスペック(=高価格)すぎて世界市場では受け入れられなくなっている。同じような状況が自動車業界でもある。日本車は先進国向けの高級車の評判はいいけれど、これから需要が爆発する新興国市場ではインドのタタのような超低価格車に勝つことができない。
中国や韓国を市場と見なした場合、政治リスクが非常に高くなっている。特に中国は大市場で日本企業の依存度も高いが、12年に私たちが体験した政治的な締め付けが、13年はもっと顕著になる可能性がある。
国内市場に目を向ければ「単価の崩壊」が起こりそうだ。特に国内と国際の敷居がないあらゆる業種で、単価の崩壊が一気に加速するだろう。例えばグーグルが5年以内の実用化を目指して開発実験を続けている自動車の自動運転が実現すれば、運転手という職種がなくなってしまう。それにより輸送単価も大幅に下がる。単価の崩壊は業界の仕組みが根本的に変わることによって起こるため、今就いている仕事がなくなる可能性だって高くなる。恐らく日本語で守られていない分野、日本の法律で守られていない業種は危ない。
好きなこと、運、人脈が未来を開く
そうした将来を前提に13年にやるべきことをあげると、「自分にしかできない仕事をする」「運を高める」「いい人脈をつくる」の3つになる。
「自分にしかできない仕事をする」を言い換えれば、自分が本当にやりたいこと、大好きなことを仕事にするということ。大好きなことは自分の才能が一番発揮できる(最も大きい付加価値を生み出すことができる)ことであり、その結果、愛情を込めた丁寧な仕事になり、評価が高まり、回り回って収入にも結びつく。これはサラリーマンでも自営業でも同じだと思う。
サラリーマンであれば社内でナンバーワンを目指す。それを達成したら業界ナンバーワンを目指す。そのことにより自分の価値が上がっていき、会社が手放したくない人材になれる。