運のバランスも重要だ。仕事運を使いすぎると家族運がなくなることがある。そのためうまくバランスをとって、どれも同じように高めて総量を拡大していく努力をする必要がある。例えば仕事運が悪くなったときは、家族運がいいのだから家族との時間を楽しむようにする。するといつの間にか仕事運も回復する。仕事運が悪いという面ばかりを気にするのか、家族運がいいのだから幸せと思うのか、心の持ちようで運は変化する。
「いい人脈をつくる」は多くの人が実践できていない。人は自分と同じような人と付き合う傾向にあり、同じ職業、同じ業種、同じ会社内にしか人脈がないことが多い。そうではなくてまったく違う業種、年齢、収入、役職、違う国の人と知り合うことでいい人脈がつくれる。そうした人との人脈ができれば、仕事の幅も、仕事に対する視点も広がるし、運も開けてくる。
とはいえ、年収の差が5倍も10倍もある人とはなかなか知り合うことはできない。なぜなら生きている世界(グループ)が違うから。これからは人のグループ化がより鮮明になっていくだろう。グループにより入学する学校、住む地域、職種も人脈も違ってくる。
だからといってあきらめる必要はない。例えば、趣味を通じた付き合いには肩書が無用なので、人脈をつくりやすい。そのためにも本当に好きなことを究めるべきだ。ボランティア活動をするのもいい。こちらも肩書を外した活動ができるし、地位の高い人たちも多い。
目上の人から誘いを受けたら必ずついていくことも心がけてほしい。ふだんいる世界とは違う世界の人と知り合いになれるだろう。そういう運は目上の人からしかもらえない。そして新たに知り合った人から携帯電話に直接かけてもらえるくらいの間柄になれれば運も開け、仕事のステージも上がる。試しに携帯電話の着信履歴を見て、かけてくれた人10人の平均年収を計算してみよう。その金額が今のあなたのステージなのである。
だからといって上の人だけについていけばよいということではない。人間関係の運には3つある。年上の人に引っ張ってもらう運、同年代から支えられる運、そして年下、部下や後輩から持ち上げられる運。3つの運の力は、どれも成功するために欠かすことはできない。『60代にしておきたい17のこと』という本を書く際に、70~80代の方にインタビューをした。そのときに強く思ったことは「やって失敗した後悔」よりも「やらなかった後悔」のほうがずっと大きいということ。後悔のない人生をおくるためにも、13年は、何か新しい行動を起こす年にしてほしい。