仕事において周りから頼りにされるのはどんな人か。クイズ作家の近藤仁美さんは「番組の企画会議が難航したとき、他人のアイデアをアシストするのが上手な作家は存在感を発揮する。場の目的を見失わずに目配りできると、結果を出しやすくなる」という――。

※本稿は、近藤仁美『クイズ作家のすごい思考法』(集英社インターナショナル新書)の一部を再編集したものです。

会議
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「他人の案」を通せる人ほど頼りにされる

知り合いに「昨日何してたの?」と聞かれ、「宿題」と答えると、しばしば「大人なのに」と半笑いされる。この「宿題」とは、企画会議に持ち寄るクイズや番組内容の案のことで、学校の夏休みの最後にでんと控えるアレのことではない。

企画会議ではよく「次回までの宿題は◯◯ね」といった指示がなされるため、次の会議で出す提案内容のことを、関係者間ではこう呼んでいる。

さて、テレビの企画会議にはたいてい複数の作家が参加する。みんなで案を持ち寄って、あーでもない、こーでもないと話し合うのだが、このときのふるまいには性格が出る。提案された問題の模範解答以外の答えにいち早く気づく人、自分の案を積極的に通そうとする人、資料づくりが上手でひとこともしゃべらないまま採用を連発する人など様々だ。

そうした場で20年ほど生き残った結果、ひとつわかったことがある。それは、多くの案件で頼りにされる人ほど他人の案を成立させるのが上手い、ということだ。