長らく続く体調不良、突然訪れた気力の低下……。それらの原因は「スマホの使いすぎ」にあるかもしれない。スマホが人体に与える悪影響を、専門分野で活躍する現役医師が分析。現代病の処方箋を読者に届けよう。
スマホ依存症のガイコツ
写真=Gon Hayasaka/Adobe Stock

医療の現場でスマホは「危険な依存性物質」

移動中の電車内や休憩時、待ち時間など、少しでも空き時間があるとスマホに触れているという人は多いのではないでしょうか。スマホを絶え間なく使い続けていると、脳はかなり疲弊します。スマホの使いすぎによる脳過労は、仕事のパフォーマンスを低下させ、健康にも悪影響を及ぼします。

脳過労を一言で説明すれば、脳内物質(神経伝達物質)のバランスが崩れている状態です。主要な脳内物質として、集中力を高めるノルアドレナリン、「快楽物質」といわれるドーパミン、そのバランスを調節するセロトニン、覚醒作用を持つオレキシンなどがあります。