40代以降の転職では、どんなことに気を付けるべきか。ミドル世代専門転職コンサルタントの黒田真行さんは「若手の転職と違い、中年以降の転職は『職務経歴書』の書き方が重要になる。書類審査で落とされる人には特徴がある」という――。

※本稿は、黒田真行『いつでも会社を辞められる自分になる』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。

面接を受けるビジネスマン
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なぜその「職務経歴書」は落とされるのか

転職活動では「職務経歴書」を書くことが一般的です。「職務経歴書」という漢字5文字の字面にも問題があると思うのですが、職務経歴書は職務をただ羅列するものではありません。言わなければいけないのは、

「私があなたの会社に入社したあかつきには、これだけの役に立ちます」

ということです。したがって、職務経歴書もこれが想像できるものになっていなければなりません。

会社側が期待しているのは、その職務経歴を以て、この会社でどんなことをしてくれそうか、ということです。東京営業所配属、大阪営業所に異動、京都営業所に異動、などと職務の羅列がただ書かれているだけでは、それが想像できません。

たとえば営業なら、これだけの売り上げだったものを、これだけにした。こんな工夫をして、ここまでの目標達成ができた。営業所長として、営業所にこんな課題があったから、こんなふうに改善したら、これだけ改善できた。そんなふうに書かれていると、自社での期待もイメージできます。

任されていた役割の話と、その役割の中で生み出した価値の話はまったく別なのです。

「その成果はいかにして生まれたか」を語れるか

逆に言えば、今の仕事で成果を出す必要があるし、その成果をアピールする必要があります。ただ、単にアピールされても、採用側にすれば、同じことを自社でしてもらえるという思いにはならない。

だから、その成果はいかにして生まれたかという再現性を説明する意味が出てきます。こんなふうにして、こんな成果を出せた。ここまで語って初めて、「もしかすると、この会社でも同じような取り組みをして成果を出してもらえるのかも」と思ってもらえるのです。

となれば、今の会社で成果を出そうと頑張ることはもちろんですが、どうやって成果が出せたのかをしっかりと言語化しておく必要があります。そして、それをしっかり記録に残しておくのです。

いつ、どんな課題があったときに、どんな取り組みをして、どんな結果が出せたのか。今の会社で働いているうちから、こうしたことを意識しておき、しっかりメモに残しておく。そうでなければ、職務経歴書を書こうとしても思い出せないのです。思い出せたとしても、わずかしかない。本当はもっとたくさん成果があったのに、そのアピールができない、ということになってしまいかねないのです。