2025年3月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト5をお送りします。健康部門の第2位は――。
▼第1位 70歳のセックスがこんなに楽しいなんて…「膀胱、子宮、直腸が腟から飛び出る」更年期障害の女性がやったこと
▼第2位 認知症リスクがどんどん下がる…82歳の脳科学者も実践している「高齢者はやらなきゃ損」な日課
▼第3位 1日3食も、早寝早起きも、朝の洗濯もやらなくていい…医師・和田秀樹「60代から本当に必要な習慣」
▼第4位 「口癖」を聞けば一発でわかる…「ヨボヨボ老人になる人」と「死ぬまでピンピンしている人」の決定的な差
▼第5位 この器官が衰えるとヨボヨボ化が一気に進む…視力でも味覚でもない「認知症の発症を遅らせる」ための必須条件
※本稿は、杉本八郎『82歳の認知症研究の第一人者が毎日していること』(扶桑社新書)の一部を再編集したものです。
認知症予防の基本は「血液サラサラ」
認知症予防の基本となるのは、高血圧や糖尿病などの予防にもつながる「血管を丈夫にして、血流を良くする」生活習慣です。脳にまで十分な酸素や栄養が届けられれば、年を重ねても生き生きとした神経細胞を維持しやすくなり、認知症を遠ざけることができるのです。
もちろん、さらに効果的に予防するには、「認知症」の原因をより意識した対策を講じることも大事です。両方を併せて行えば、まさに鬼に金棒だと言っていいでしょう。
生活習慣病の予防のためにも、認知症の予防のためにも、まず第一に私がおすすめしたいのは「有酸素運動」です。
有酸素運動が「脳に良い」理由
有酸素運動というのは、酸素を使いながらある程度の時間をかけて行う運動のことです。
こういう言い方をすると難しく感じるかもしれませんが、ウォーキングやサイクリング、エクササイズなどはすべて有酸素運動です。ちなみに無酸素運動というのは、酸素を使用せず、短距離走や筋トレなど筋肉に対して瞬発的に高い負荷をかける運動のことです。
なぜ、有酸素運動のほうをおすすめするのかというと、酸素を使う有酸素運動は血行を良くする効果が非常に高いからです。脳に十分な血液が流れれば、栄養や新鮮な酸素がたっぷりと送り込まれるので、脳の細胞も活性化します。
体力にあまり自信がない人でも気軽にできるのは、なんといってもウォーキングでしょう。気軽であるだけでなく、ウォーキングによって、脳(海馬)の血流が増加することが、東京都健康長寿医療センター研究所のラットを使った実験でわかっています。
しかもこの結果は、若いラットでも高齢のラットでも同様だったそうなので、そういう意味でもウォーキングは、高齢者にとってやらなくては損な運動だと言えるでしょう。