一方、30代でまだ子どもがいない世帯ではいまを楽しむための浪費が目立つ。共働きで高収入な夫婦に限って互いの給料も家計も把握できていなかったりする。
50代、60代では生命保険料が浪費となっているケースが多い。子どもが成人しても若い頃に契約した高額な死亡保障をつけたままにしているのだ。必要な保障額は年々減り、高額な死亡保障が必要なのは子どもが独立するまで。高い保険料は「浪費」以外の何ものでもない。
60代以上の世代は、住宅ローンも払い終わり、子どもが独立した安心感も手伝って、食費や娯楽費を贅沢に使いがちだ。ローン完済後は住居費の負担がほぼないように思えるが、建物は老朽化するもの。修繕や改装が必要になることもあるので、余裕を残しておきたい。
お金が貯まる人は、とくに変わったことはしていない。月々の収入の中で支出を収めるように生活しているだけだ。ちなみにこれまでの経験から言えば、体形がメタボな人は家計もメタボな傾向があり、部屋や冷蔵庫が片づいている人は貯蓄ができている傾向がある。自分をコントロールできる能力のある人は、貯蓄力も高いということだろう。単に「○○円貯める」といった数字の問題ではない。自己コントロール力をつけることで、老後の危険度を下げていってほしい。
【図版※注】診断結果
・合計点9~12点:残酷度90%。いますぐ家計改善を!
・合計点5~8点:残酷度70%。頼りにしている情報源の見直しを
・合計点1~4点:残酷度40%。一見優等生だが意外な盲点に注意
・合計点-3~0点:残酷度20%。油断しなければまず安心。保険やローンを再点検
・合計点-4点以下:残酷度5%。このまま暮らせば豊かな老後が送れそう
家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー
横山光昭
1971年生まれ。FPとして司法書士事務所に勤務した後、2001年に独立。5300人以上の家計を再生した実績を持つ。
横山光昭
1971年生まれ。FPとして司法書士事務所に勤務した後、2001年に独立。5300人以上の家計を再生した実績を持つ。
(構成=八村晃代 撮影=アーウィン)