青年会議所、略称はJC。日本では戦後、米国で始まったJC運動を手本に設立され、全国に700近い拠点を展開。「より良い社会づくり」を目指して奉仕活動に当たる青年経済団体だ。会員資格は20〜40歳の男女で、職業や地位とは関係なく会員の推薦さえあれば入会できる。ただ、無償で社会貢献活動を手掛けるうえ、相応の会費負担(個々の会議所で異なり、東京青年会議所=東京JCでは年18万円)もあるため結果的にはオーナー企業の後継者や政治家、弁護士らが活動の中核になる。彼ら恵まれた境遇にいる会員たちはなぜ、社会貢献にお金と時間と熱意を費やすのか。日本における総合調整機関である日本青年会議所(日本JC)の会頭に就任した外口真大氏に真意を聞いた。
なぜ、止められていたのに路上生活の子にお金を渡してしまったか
私がこのほど日本JCの会頭に就任したのは、「日本JCであれば、世の中を変えられる。会頭として先頭に立ち、その一翼を担いたい」と強く思ったからです。
学生時代から公共政策や政治に強い関心がありました。2000年に高校の体験学習でタイを訪れた際、現地のストリートチルドレンの姿を見て、ちょうど妹と同じ年頃の女の子だったこともあり、先生から止められていたにもかかわらずポケットのお金を渡してしまいました。妹が何かの偶然で日本ではなくタイに生まれ、路上生活をするようになっていたらどうだろう……。そう考えると、知らぬふりはできませんでした。ただ、目の前の子にお金を渡すだけでは大きな社会矛盾は解決しません。世の中を変えるために、自分たちには何ができるかを考え続けるきっかけとなった出来事でした。
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