被害者の3分の1が60歳以上

消費生活センターには、さまざまな消費トラブルに関する相談が届きます。全国で年間およそ87万件、都内だけでも約13万件の相談が寄せられており、そのうち60歳以上の方の相談は4万4000件と約3分の1を占めます。特に一人暮らしの高齢者は誰にも相談せずその場でお金を払ってしまい、あとから不安に襲われることが多いようです。被害のほとんどは犯罪にならないギリギリを攻めた巧妙なもの。警察は取り合ってくれない場合が多いので、自衛する必要があります。

電話の主に誘導されながら、ノートパソコンを操作しているシニア女性
写真=iStock.com/Halfpoint
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特に最近増えているのが、私たちが〈点検商法〉〈レスキューサービス〉〈マンションの押し買い〉と呼ぶ手口です。その代表的な事例を紹介しましょう。

強盗のきっかけにもなる点検商法

ケース1:作業服を着た人がやってきて、「お宅の屋根が壊れてるみたいだから、無料で見てあげましょうか」と言う。お願いしたら、「ほら、瓦が割れてましたよ」と写真を見せられた。「これは本格的な修理が必要ですね」と言われ、総額100万円の屋根工事の契約をしてしまった。


ケース2:点検に来たガス業者が「ガス給湯器が古くなっていて、いつ壊れてもおかしくない状況です。もし冬場に故障したら水風呂に入ることになって、体を壊してしまいますよ」と言う。心配になってその場でお金を払い、新しい給湯器に換えてもらった。しかし、後日息子に報告すると、「前回の交換は7年前だからまだ使えたはず」と怒られてしまった。

ケース1は一軒家を狙い、本来なら工事の必要のない屋根工事を迫るパターンです。トンカチなどでわざと壊して、「ほら、壊れてますよ」という「自作自演」のことも。