絶対やってはいけない「相続直後の物件売却」

相続税対策の基本は、遺産の相続税評価額を引き下げることです。その代表的な方法が、不動産の購入と生命保険の加入です。

書類に記入するカップル
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不動産は相続税の計算上、実際に取引される価格よりも割安に評価できます。国税庁の財産評価基本通達で、土地は路線価等、建物は固定資産税評価額で評価するという指針が示されているためです。一般に路線価は時価の約8割、固定資産税評価額は時価の約7割といわれています。

特に節税効果が大きかったのがタワーマンションです。狭い土地の上に多くの戸数があるタワーマンションは、1戸あたりの土地の持ち分が小さくなるため、敷地権(土地と建物が一体化して登記されている権利)の評価が低くなります。また、高層階ほど価格が高くなりますが、相続税の計算上、その市場価値が反映されないため、評価額を大幅に引き下げることができました。

この手法は人気でしたが、潮目の変わる出来事が起こりました。約13億円で購入した不動産の評価額を10億円も引き下げ、相続税を0にしようとした納税者と国税当局が裁判となり、2022年、最高裁で納税者が敗訴したのです。あからさまに税金対策をしている納税者に対して、国税による伝家の宝刀「財産評価基本通達6項」の適用が認められました。これは路線価による評価額が実際の価格とかけ離れている場合、国税が評価額を決められる決まりです。結果、相続税0円だった申告が約3億円の追徴課税となりました。