なぜ「青」なのか
多くの人は、一度くらい「なぜ空は青いのだろう」と疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。ちなみに、私は誰かに問われて初めて「……確かに。なぜだろう」と思った記憶があるので、ぼーっと生きていたのかもしれません。
そのうえで、「空が青く見えるのは、青い光が散乱されるため」という理由もなんとなく聞いたことのある人は少なくないのではないでしょうか。
それでは、緑でもピンクでもなく、なぜ散乱される光は“青”なのでしょう?
科学は、ちょっと引いてしまうほどに「なぜ」を突き詰める学問です。今回は、皆様のお時間を少しだけお借りして、空の色に関する「なぜ」を考えてみましょう。
色とは何か
そもそも「色」とは、一体何なのでしょうか? 色の正体は、物理的には「光の波長」に由来します。
早速難しくなったと思う方もいると思うので、ひとつずつ説明していきます。
まず「光」は電磁波という「波」の一種です。
そして「波」には「波長」という性質が存在します。
「波長」とは、波の山から山までの距離のことを指します。この距離の長さによって、光は異なる特徴を持ちます。
光には可視光と呼ばれる範囲があり、私たちの目で見ることができるのは、このほんの一部の光の領域だけです。紫外線や赤外線など、見えない波長も含めると電磁波は多種多様なのですが、我々人間は、この可視光の範囲内で捉えられる波長の違いを「色」として認識しています。
可視光は、波長が短ければ青や紫の光として見え、波長が長ければ赤い光として私たちの目に映ります。
太陽の光や蛍光灯の光は白色光と呼ばれますが、このように白く見える光は、さまざまな波長の光が混ざり合ってつくられています。
「光」は物体に当たることで特定の波長の光を反射するようになっています。その反射した光が私たちの目に入ることで、私たちは色を感じられるのです。例えば、葉っぱが緑に見えるのは、葉っぱが緑の波長の光を反射し、それ以外の色を吸収しているから。
これをヒントにすれば、空が青く見えるということは、空の光、つまり「太陽光」が何かしらの影響(例えば何かに反射するなど)を受けることによって、我々の目に青色が映っているのだな、ということがわかるはずです。



