不動産業界の悪しき慣習「囲い込み」
家を一円でも高く売りたいなら、仲介会社(担当者)を賢く選ぶことが大切だ。媒介契約を結ぶ前に複数の業者から売却不動産の査定を受けることが一般的だが、目先の査定価格につられるとあとで痛い目に遭いかねない。
まず注意したいのが、不動産業界の悪しき慣習である「囲い込み」だ。通常、売主から依頼を受けた仲介会社は、物件情報を不動産流通機構(レインズ)に登録する。買主から依頼を受けた仲介会社は、レインズの情報を見て買主に紹介し、合意できれば売買契約を結ぶ。
ところが囲い込みをする仲介会社は、レインズに登録しなかったり、登録しても買主側をブロックしたりして、自社の顧客の中から買主を探す。そこで売買契約が成立すれば、売主・買主の双方と取引する両手取引になり、両方から仲介手数料を得ることができる。
売主が支払う仲介手数料が倍になるわけではないので、別に問題はないと考える人もいるだろう。
しかし、囲い込みをされると、買主候補はその仲介会社の顧客に限定されてしまう。競りに参加する人数が多いほど価格がつり上がりやすいのと同じ理屈で、買主候補は多いほど売主に有利。高く売却したければ、囲い込みをしない仲介会社を選ぶべきだ。
囲い込みによる消費者の不利益は以前から指摘されていた。そのため2017年から、レインズに登録した物件のステータス明示(公開中/一時停止/購入申込みあり)が義務づけられた。さらに宅地建物取引業法の施行規則が改正され、25年1月からは囲い込みする業者への行政処分が可能になる。
ただ、これらの制度改正の効果は限定的だ。たとえば買主側仲介会社がレインズを見て「紹介してほしい」と売主側仲介会社に物件確認しても、実際には商談が進んでいないのに「買い手がいる」と伝えたり、内見の紹介の日程調整をいつまでも引っ張るなど、ウソをついて囲い込む。囲い込みはアナログな局面で行われており、真偽を見極めるのは困難だ。
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