住み心地の良い家を選ぶためには、どんなことに気を付ければいいのか。工務店を経営する職人社長の平松明展さんは「ローコスト住宅は初期費用を抑えられるが、ランニングコストを計算すると賃貸マンションとほとんど変わらない」という――。

※本稿は、平松明展『住んでよかった家 理想の暮らしがずっと続く15の空間』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

高層ラウンジからの東京の眺め
写真=iStock.com/Moarave
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“人生で一番高い買い物”は難しい

「住んでよかった家」の事例を紹介していく前に、お伝えしておきたいことがあります。家を手に入れるのは、ほかの買い物とは別の感覚を持つことが必要です。高額である、目に見えない特性がある、住んでみなければわからない……と検討すべき点が多いわりに、手に入れたあとのことを想像するのが困難だからです。

家づくりは、いくつもの課題に対して1つずつ自分の答えを出していく過程がともないます。それを可視化するのがライフプランです。ライフプランにはマネープランのほか、さまざまな要素があります。

ここで向き合ってもらいたいのが「人生の豊かさとは?」という課題。これは「どのように暮らしたいか」ともいい換えられます。その次に「どんな家にするか」と進むわけです。ライフプランができれば、さまざまな課題に対しての判断力が高まります。

また、マンション、新築戸建、中古住宅など住まいの形はさまざまにありますが、どの住まいがライフプランに合うでしょうか?